ニュースの感想

介護報酬改定

  • 泉 和弥
  • at 2015/1/07 23:00:00
 
 10月頃、特別養護老人ホームの施設長さんから「介護報酬が減額されるんですよ~。とんでもないことです。」と言われていました。
 いよいよ4月からの介護報酬について具体的な数字が表れてきました。特養やデイサービス事業者は今までの内部留保が多いとの判断から報酬が減額されるようです。一方で職員の処遇改善(介護職員の賃金アップのための報酬)は一人当たり約1万円増額し、人手不足に対応する考えです。
 内部留保については各施設によって考え方、金額は違っていると思いますが、定員50人の施設であれ...ばどんなに頑張っても一人あたりの介護報酬×50×365=その施設が得る1年分の報酬額(売上)です。一般企業と違うところは上限額がほぼ決まっていて、どれだけ支出を抑えるかで、利益があがる訳です。民間企業のように営業力、技術力で前年比150%あがる事はありません。介護度5の利用者さんを多く入所していただくと報酬単価は上がりますが、介助量(人手)は増えます。いわゆる手厚い介護を求めるなら、それなりの職員数が安定的に確保する必要があり、多くの施設は基準の人員より多く雇っているのが現状です。
 国(財務省)は職員改善報酬が一人当たり1万円増額すれば人手不足に対応できると本当に考えているのだろうか。単純に考えても人件費には社会保険料の企業負担分や退職引きあてや福利厚生費も含まれてきます。施設全体の報酬が下がれば、施設側も支出を抑えるため職員の数を増やすことができなくなります。その結果は利用するお年寄りに対するケアの質に影響するのではないかと、大変心配します。
 特養は入所要件が介護度3以上になり今まで以上に人手が必要なはずです。
 もう一つ、在宅介護だって、女性の社会進出を進めるなか家族介護に期待はできません。在宅介護サービス事業者への人材も、より一層必要ですが、人材確保に向けた施策が見えてきません。

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