2011/04/29(金)0:34私宛てのメール公開いたします。

 

 わたしは、社川幼稚園に子供を通わせている親です。

本日、社川小学校の子供たちがお昼休みに校庭でマスクもせずにサッカーをしたりしている様子を見て、びっくりしました今、福島市や郡山市の学校でのことがいろいろとニュースで取り上げられていることはご存知のことと思います郡山市や福島市の学校での放射線量の値12マイクロシーベルト/hに比べて、棚倉町の学校の放射線量は0.4μシーベルト/h、と低い値になってはいますが、それでも通常の値に比べると10倍くらい高くなっています。

 また、今は福島第一原発から放出され続けている放射性物質が毎日風に乗って少しずつ飛んできている状況で、空気中にその放射性物質が浮遊していますし、先月から降り続いた放射性物質が地表にたまっている状況です。放射性セシウムは半減期が30年と長いため、土を入れ替えない限りずっと放射線を出し続けますので、今の0.4前後という値はずっと続くだろうと考えられます(現に、4月に入ってからというもの、棚倉町の放射線量はほとんど横ばいです)

 また、その放射性セシウムが付着したチリや砂などを吸い込むことによる内部被曝の危険性が大きいです子供は大人の3倍以上の影響が出ると言われています。

 

 ご承知のように、一般公衆の線量限度は年間1ミリシーベルトです。これは、みんな1ミリシーベルト浴びなさいという意味ではありません

放射線防護の大原則は「できるだけ低く」です。

0.1ミリシーベルトにできるのならそうしなければならないし、0.01ミリシーベルト、さらに低い線量にできるのならそうしなければならないのです。政府は福島原発事故のあとに線量限度を20ミリシーベルト(年間)に引き上げましたが、1ミリシーベルトの線量限度が子どもを含めて20ミリシーベルトに引き上げられただけでなく、「できるだけ低く」の大原則もかなぐり捨ててしまっているのです。

これまで学校の校庭の使用を控えていたと思いますが、4月19日の文部科学省による、学校の安全基準を20ミリシーベルトにする通知により、校庭の使用を再開する方向に動いたのだと思います。

 

 放射能を少しでも低減するためにとっていた措置をやめて、より多くの線量を浴びさせているということです

皆20ミリシーベルトまでは浴びてもらいますよ、というのが文部科学省の姿勢です。しかもこれは外部被ばくだけで、内部被ばくを考慮するとさらに被ばく線量は増えます。

 

20ミリシーベルトで飯舘村は避難が決まりました。

 同じ20ミリシーベルトでも、福島市では、学校に子どもたちが通い、土ぼこりが舞う校庭で走り回っているのです。

 原発で働き、白血病で亡くなり、労災認定を受けた嶋橋さんの被ばく線量は、年間最多で9.8ミリシーベルト、9年間積算でも約50ミリシーベルトでした。棚倉町の0.4マイクロシーベルト/h1年間浴び続けると、年間で、3.5ミリシーベルト(単純に24時間365日と計算した場合)となりますが、これは外部被曝だけの数値ですし、子供の影響の出やすさの3倍を鑑みるだけでも、上記 の労災認定の方の数値を超えてしまいます。

 そのような環境でマスクもなく自由に遊ばせていいのでしょうか。

 来年社川小学校に入学予定の我が子をこの学校に通わせることに不安を覚えてしまいました。

もちろん、来年になればまた状況は変わると思いますが、そういうことではなく、子を持つ親として、子供たちみながそんな危険にさらされることは許されないと思うのです。

 もちろん、福島市や郡山市などの学校の数値と比べますとかなり低い値であり、そんなに騒ぎ立てずにいつも通りの生活をさせてあげたほうがいいのだ、という考え方もあるのかもしれませんが、そのために子供たちの将来に不安な影を落とすべきでしょうか。

今は大震災と原発事故という有事でありますので、万全には万全を期して、子供たちの健康を守ることを第一に考えないと、本当にあとになってこわいことになると思います。

 

 海外の専門家たちもこの状況を憂慮していますし、以下に示しますように日弁連の会長声明も出されています。

 どうか、子供たちを守るために、もうしばらくの間は校庭の使用を控えるとか、もしくは校庭の土の入れ替えをしてから使用するようにするなどの配慮をしていただけませんでしょうか。

 そして、子供たちにはマスクをするように先生から指導していただくようにお願いしたいです。

また、毎日、校庭や校舎内数カ所での放射線量の測定をお願いしたいです

郡山市の橘小学校など、そういったことを自主的にされています

すべて、子供たちを守るためです。

 心から、お願いいたします。

 

 棚倉町のホームページにこちらのアドレスが書かれていましたので、こちらにメールさせていただきました、どうかよろしくお願いいたします。

 

  

「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」に関する会長声明4月19日、政府は「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」を発表し、これを踏まえて、文部科学省は、福島県教育委員会等に同名の通知を発出した。

 これによると「児童生徒等が学校等に通える地域においては、非常事態収束後の参考レベルの1~20mSv/年を学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安と」するとされており、従前の一般公衆の被ばく基準量(年間1mSv)を最大20倍まで許容するというものとなっている。その根拠について、文部科学省は「安全と学業継続という社会的便益の両立を考えて判断した」と説明している。

 しかしながら、この考え方には以下に述べるような問題点がある。

 

 第1に、低線量被ばくであっても将来病気を発症する可能性があることから、放射線被ばくはできるだけ避けるべきであることは当然のことである。とりわけ、政府が根拠とする国際放射線防護委員会(ICRP)のPublication109 緊急時被ばくの状況における公衆の防護のための助言)は成人から子どもまでを含んだ被ばく線量を前提としているが、多くの研究者により成人よりも子どもの方が放射線の影響を受けやすいとの報告がなされていることや放射線の長期的(確率的)影響をより大きく受けるのが子どもであることにかんがみると、子どもが被ばくすることはできる限り避けるべきである。

 

 第2に、文部科学省は、電離放射線障害防止規則3条1項1号において、「外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が3月間につき1.3 ミリシーベルトを超えるおそれのある区域」を管理区域とし、同条3項で必要のある者以外の者の管理区域への立ち入りを禁じている。

 3月あたり1.3mSvは1年当たり5.2mSv であり、今回の基準は、これをはるかに超える被ばくを許容することを意味する。しかも、同規則が前提にしているのは事業において放射線を利用する場合であって、ある程度の被ばく管理が可能な場面を想定しているところ、現在のような災害時においては天候条件等によって予期しない被ばくの可能性があることを十分に考慮しなければならない。

 

 第3に、そもそも、従前の基準(公衆については年間1mSv)は、様々な社会的・経済的要因を勘案して、まさに「安全」と「社会的便益の両立を考えて判断」されていたものである。他の場所で教育を受けることが可能であるのに「汚染された学校で教育を受ける便益」と被ばくの危険を衡量することは適切ではない。この基準が、事故時にあたって、このように緩められることは、基準の策定の趣旨に照らして国民の安全を軽視するものであると言わざるを得ない。

 

 第4に、この基準によれば、学校の校庭で体育など屋外活動をしたり、砂場で遊んだりすることも禁止されたり大きく制限されたりすることになる。

 しかしながら、そのような制限を受ける学校における教育は、そもそも、子どもたちの教育環境として適切なものといえるか根本的な疑問がある。

 以上にかんがみ、当連合会は、文部科学省に対し、以下の対策を求める。

 

1 かかる通知を速やかに撤回し、福島県内の教育現場において速やかに複 数の専門的機関による適切なモニタリング及び速やかな結果の開示を行う  こと。

 

2 子どもについてはより低い基準値を定め、基準値を超える放射線量が検知された学校について、汚染された土壌の除去、除染、客土などを早期に行うこと、あるいは速やかに基準値以下の地域の学校における教育を受けられるようにすること。

 

3 基準値を超える放射線量が検知された学校の子どもたちが他地域において教育を受けざるを得なくなった際には、可能な限り親やコミュニティと切り離されないように配慮し、近隣の学校への受け入れ、スクールバス等による通学手段の確保、仮設校舎の建設などの対策を講じること。

 

4 やむを得ず親やコミュニティと離れて暮らさざるを得ない子どもについては、受け入れ場所の確保はもちろんのこと、被災によるショックと親元を離れて暮らす不安等を受けとめるだけの体制や人材の確保を行うこと。

 

5 他の地域で子どもたちがいわれなき差別を受けず、適切な教育を受けることができる体制を整備すること。

 

2011年(平成23年)422

 

日本弁護士連合会

会長 宇都宮 健児

http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/110422_2.html

 


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