視察・学習報告

ノーマリゼーションセミナーin京都 第2部デンマークから学ぶ

リスベットイエンセン(知的障害者当事者協会(ULF)会長)
千葉忠夫(バンクミケルセン記念財団理事長、日欧文化学流学院長)

(講演メモ)

 ユトランド半島にある町に住んでいる。事務所はバイルにあり、通勤は電車で15分。
 ULF(知的障害者当事者協会)は1993年にスタートした。会を立ち上げたのは私たちの存在を社会が聞いてくれなかったからである。当時は「親の会」しかなかった。地方にたくさんある当事者団体をLEDがまとめた。
 立ち上げの費用400万円をLEDに出資してもらったがULFは独立していて、すべて自分たちで決めている。運営については収入がないのでいろいろな財団からの寄付を受けている。国からの援助はない反面、自分たちの自由がある。
 デンマーク語では知的という言葉はなく発達障害のことを指している。
 事務所には6人の知的障碍者が働いている。採用、罷免は私たちが決める。ULFには理事会があり、理事はデンマーク各地から選出されてくる。
 新しく採用された人は、まず理事会について研修する。理事についても理事のあり方の講習会を受けてもらう。
 国の政策をただ受けるだけではなくて、自分たちの希望を表現をしている。デンマークの「じりつ」は、自立ではなく自らを律するので「自律」と訳すと思う。
 グループホームの生活は指導員が決めるのではなく、自分たちで決める。知的障碍者で子供の欲しい人は、子供を産むか産まないかの講習会を受ける。生む権利はあるが、生んだあと責任があるので、子育てに関してあらかじめ勉強をする。
 ベビーの人形を4日間希望者に貸し出し、人形を通してどう赤ちゃんを扱ったかのデータを集める。
 このプロジェクトによって、育てるのは難しいとの認識が生まれ、生まないという自己選択が出来るし、ほとんどの人は生まない選択をしている。
 ULFは10個のベビー人形を持っている。1個20万円で、保険会社から寄附で購入した。このベビーは、貸し出す人がそのたびに名前をつけるので、たくさん名前を持っている。
 この人形でいろんな訓練をすることが大切。自分以外の回りの希望もあることを知らなければいけない。
 ULFはこの他にも会員に対する様々なアクティビティも実施している。例えば海外を含めて旅行をアレンジしたりする。知的障害者だけの旅行をする。ヘルパーも知的障害者を使う。旅行の費用はすべて自分持ちである。
 ULFの会員は2500人。会費は年2千円。青年部もある。インターネットを使って恋人を見つけることもやっている。相手が見つかればパーティもする。
 私の経済状態をお話ししよう。年金は40%の税金を引いた手取り月額19万円。年金の区分は上中下くらいにしか分かれていない。障碍者にかかわらず、すべての人は収入があれば税金を払う。それからULFの給料3万円。家賃補助3万円で総収入が25万円。
 支出は家賃6万円をあわせて計15万円。残り約10万円で食費や衣類その他を賄っている。

 デンマークには施設というものがなく、障碍者手帳もない。すべての福祉サービスは、社会サービス法に基づいて全国民平等におこなわれ、障碍者だけ特別に扱う法律はない。その中で障碍故に就労につけない不就労手当や障碍者手当、介護手当というものが規定されている。


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