我が国の国土の67%は森林で、亀岡市においても森林面積は1万5千345ヘクタールと、全体面積の68%が森林である。
平成14年6月には我が国は地球温暖化に関する京都議定書を批准し、CO2二酸化炭素排出量を削減することが国際公約となっており、森林への期待と役割は時が進むにつれて大きくなっている。
地球温暖化の原因とされるCO2二酸化炭素というのは、C つまり炭素に二つの O 酸素が結合した分子構造を持っている。酸素は空気中ならどこにでもあるので、問題は炭素が空気中に放出され、酸素と結合する状態になることが、温暖化へと続く最初のプロセスとなる。
森林は炭素の貯蔵庫である。樹木の幹、枝、根などに含まれる炭素の量は森林1ヘクタール当たりにして熱帯林で220トン、温帯林で150トン前後とされている。草地は15トン、農地は5トン程度だから、森林が草地、農地に転用されれば、大量のCO2が大気中に放出されることになる。
現在、熱帯林が破壊されることで炭素にして年に16億トン程度が放出されており、化石燃料の放出量が55億トンであるから、無視できない量である。熱帯林の消失劣化を防ぐことは温暖化防止のうえからも喫緊の課題になっているのである。
京都議定書では、森林の公益的機能の評価額が試算され、森林は年間67兆7千8百億円とされた。これを亀岡市の森林面積で試算すると434億円という評価額となる。平成18年度の一般会計当初予算案が289億6千6百万円だから、一般会計1年半分もの価値を森林に対してもらっているわけである。
このように大きな価値を有する森林にもかかわらず、長引く木材価格の低迷等から、平成13年における国内で生産された木材の供給量は、ピークであった34年前、昭和42年の約3割の水準まで低下し、立木価格も三分の一と昭和31年の水準に落ち込んでいる。このような状況の中で林業家の意欲が減退し、林業生産活動が低調になった結果、森林が十分に利用されない状況になってしまったのである。
亀岡市の状況は、スギやヒノキなどの人工林伐採跡地に再び木を植える再造林、原野や広葉樹などの天然林の伐採跡地に木を植える拡大造林、いずれの面積も、平成元年から比べると平成13年には約18%に減少している。
更新することにより再生産可能な資源のサイクルが停滞しているのである。
世界の森林は、熱帯林を中心に毎年日本の面積の3分の1に相当する1千2百30万ヘクタールの森林の減少が進み、その多くが砂漠化しており、地球環境保全は私たち人類がかかえる大きな課題となっている。皮肉にも我が国の森林は、資源として利用されないことによって整備が行われず、世界の森林とは逆の形で、劣化するおそれがある。
また、森林は木材の生産だけでなく、様々な多面的機能をも有している。
森林は、樹木の根により土壌を押さえ、土砂や土壌の崩壊・流出を防止したり、樹木や落葉、森林土壌の働きにより雨水を効果的に地中に浸透させて、長期にわたり蓄え、徐々に流す働きを持っている。また、周辺地域の気温の変化を和らげ、適当な湿度を保つとともに、大気を浄化したり、騒音、風、雪、霧などを防ぐフィルターの機能も有するなど、私たちの身近な暮らしに密接したさまざまな機能を有している。
野生生物の生息地としても重要である。森林が人類の誕生、また文明・文化の発達に果たした役割については論じるまでもないと思う。現代社会においては私たちに心にうるおいを与え、重要な教育・レクリエーションの場でもあり、地球規模での気候の安定化への寄与は計り知れないものがあるのである。
これらは、先人たちが日常生活の中で森林と関わりながら、再生可能な資源である木材を継続的に供給すると同時に森林を守り、再生する努力を重ねてきた結果に寄るものである。
今こそ、林業生産活動や山村社会が長期的に継続できる状況をつくりながら、広範な国民の理解や参加を得て、社会全体で国内の森林の整備と保全を行い、木材利用を支えていくことが重要であると考える。
リンク 亀岡市森林組合
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