ニュースの感想

大阪地下鉄新路線見込み違いは議会の責任

  • 隅田(すだ)盛和
  • at 2007/3/02 08:59:47

今里筋線  先日バリアフリーの視察をしてきた大阪市営地下鉄今里筋線、利用客の大幅な見込み違いが発生しているようである。交通局は1日の利用者が初年度は12万人(着工前は16万人)と予測していたが、1月の利用者は3万7千人だった。
 採算性が大変懸念されていた路線である。利用客予測の根拠はどうも同じ市東部を走り一番最近(10年前)開業した長堀鶴見緑地線のようだ。長堀鶴見緑地線の営業距離は15キロ、昨年の一日あたり利用者数は15万人。これを今里筋線に当てはめると営業距離は12キロ、利用者数は12万人となる。
 心斎橋や京橋という主要駅や中心部を通る路線と、中心部を通らない路線の見込みを同じとするのは、普通に考えればおかしい。採算性を大きく後ろに置いて計画されたとしか思えない。

 よく、こういう公共事業では、建設業者に仕事を出すためとかの理由での批判を見かけるが、私はそうではないと考えている。原因は行政の意思決定の仕組み、一度決めたことは修正しない(できない)行政の構造的体質によるものである。
 行政は民間では採算のとれない公共サービスを提供していくのが本来任務であるが、程度問題である。どの程度の採算性で市民合意ができるかは、市民の選択によらなくてはならない。
 そのために議会がある。議会が市民の代表者として議論し、結論を執行者に委ねる。そして執行状況を逐一チェックする。この仕組みが機能しないと、市政に民意は反映されない。民意が反映されないと一番バカを見るのが市民である。強制的に集められた税金、市民の思いとは別な使われ方をしてしまう。

 大阪市議会は計画を立案する段階で、市民との対話をして民意を議会へ持ち上げていたのだろうか。恐らくその段階は経ていないと思われる。計画の立案は、地元市議の要望はあっただろうが、計画立案作業は行政がやっていた。
 議員の政策立案能力と言われるが、その核心は専門的知識ではなく市民との対話にある。民意を持って上がってこそ市民の代表者なのだからである。専門的知識は行政や外部組織に頼れば良い。

 政策といえば何となく抽象的な選挙公約みたいな感じと受け取る人も多いと思うが、具体的計画立案はまぎれもなく政策であり、市民に一番近い自治体であればこそ重要度はより高くなる。
 地方自治法では、政策立案の役割は議会とも行政とも定めてはいない。全体を貫く均衡と抑制の条文からは、両方にその任務を担わせていると解釈するのが妥当である。

 今の議会、全国どこでもそうだと思うが、議会がどれだけ政策立案に関与しているだろうか。そのような仕組みを設けていない議会がほとんどであろうし、そんなことを頭の隅にも置いてない議員が多いのではないだろうか。
 議会が機能していない(まったくとは言わないが)原因は仕組みの不十分さと、議員の意識である。


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