○小諸学舎(知的障害者更生施設)
創設者は、施設は小さい方がいい、施設がなくなることが理想だと言っていた。この施設には現在入所が50名、通所が11名、ショートステイが4名前後いる。寝たきりも8名いる。ここは厚生施設であるが、本来の訓練、就職へむけての機能はわずかになっている。昨年は2名亡くなった。ここで葬式をあげた。本来なら家へ帰って式をあげるのが本当だが、ここにいる間に家庭が遠くなってしまった。
ここは全部が個室である。35年前に基準がなかったときから、障害者の人権に配慮をして全部個室にした。この施設の自慢は浴室。見ていただきたかったのだが、この時間は使用中で残念である。花菖蒲園を作っている。採算はとれないが働く意味を考えながらいろいろなところに参加することが大切であると考えているから続けている。作業といっても4時間くらい。入浴は週4回、国の基準は週2回。本来入浴は毎日するものだと思っているが、残念ながら事故があり亡くなったことから、スタッフが対応できる回数に制限せざるをえなくなった。
食事も自然な形、時間で実施している。個の尊重は集団の中で実現できるように配慮している。ボランティアの人もたくさん来てもらっている。
みんな家に帰りたいと思っているが、今度の自立支援法では、入院すると公費がゼロになる。
自立の高まった人はグループホームで生活する。夜はグループホームへ帰り、昼は作業所へ通うパターン。作業所の賃金は1ヵ月平均2万4千円、多い人は3万円を越える。
日中のショートデイサービスが今度なくなることは大変。小諸市の議員こそ見学に来て欲しい。
この施設を作るのに8億円かかった。自己資金は3億円。市には利子補給をしてもらっているので助かっている。
一羔会(いちこうかい)で社会を変えよう、社団法人で仕事を与えようと活動している。今回の自立支援法支給判定で50人中19名対象外になる。知的障害のポイントが低い。またサービス利用単価が著しく低く、施設に入ってくるお金が3割減になる。よその施設によっては4割減になるところもある。利用者は世帯分離をしても2万円くらいの負担が発生する。実費負担はやむを得ないと思うが、一割負担、オプション負担は実情にあわない。しかし、オプションを増やしたいかなくては経営が成り立たない。
支援法はできない制度である。お金を渡さずに市町村の責任ばかりが増える。むりやり自立させられる法律が自立支援法である。
国の基準もおかしい。施設の木造を認めれてくれればもっと建てられた。グループホームはお金がある人でないと入れない。
パン、クッキーが一番儲かっている。しかし、障害者でもできる作業を探さなくてはならないので、こればかりというわけにもいかない。
(質問)
平均賃金2万4千円はたいへん高いと思うが?
(答弁)
職員ががんばっているからこそ実現できている。
(まとめと感想)
非常に頑張っておられる民間福祉施設である。福祉はハコモノではなく、笑顔を作り出せる人との出会いである。福祉を必要としている人に、一人でも多くその出会いが作れるように、国の一律の基準を柔軟にしていく必要があるだろう。
この4月から施行された障害者自立支援法。自己負担を求める条件があるのか、低く抑えられたサービス利用単価。一律ではない各施設毎の努力が求められざるを得ない状況は評価できるものの、大きく悪化する施設の運営に堪えられなくなるところも出てくるかも知れない。そうすると民間事業者に頼らざるを得ない我が国の福祉が足元から揺らいでくる危惧もある。
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