視察・学習報告
16日(金)、東京の都市センターで開催された都道府県議会議員研究交流大会に参加しました。13:00~15:30までは、「道州制を考る」と題して都道府県の将来についてパネルディスカッションが、その後18:00までは分科会に分かれて様々な政策課題等について意見交換会が行なわれました。小生は分科会も「道州制に向けた具体的取組について」に参加し、道州制の必要性・問題点・今後の課題について勉強させて頂きました。
ここからは私見ですが、この研究会に参加するまでは、分権国家を目指すための「中央集権システムから真の地方分権への移行」と、国の財政再建を主目的とする「道州制導入」はそれぞれ別の問題と考えていました。
その根幹には、国に対しての「不信感」があります。1980年終わり頃から国は全国の自治体に地域振興と称して、「単独事業」を推進しました。この単独事業の資金は、当面は地方債などで調達し後年度に償還額の相当部分を地方交付税の上乗せで補填するというものでした。分かりやすく言うと、とりあえず借金で仕事をしておけば、その借金返済は後で政府が面倒を見てくれるという事です。これに全国の自治体が飛びつき、観光施設などの「箱物」が乱立する事となり、その借金返済の時期が来ると、地方交付税が大幅削減(約5兆円)され、軒並みどの自治体も財政難に陥った苦い経験があります。極論ですが国の地域振興策が地域の消失でしかなかった訳です・・・・・。
但し、「最終的には国が面倒を見てくれるから、何をやってもどうにかなる」という他力本願の地方にも問題がなかったとは言えません。だからこそ、これからは自らの財源で、自らの責任において政策を実行する「真の地方分権」制度を確立させる事が必要不可欠なのです。そのためには、権限と財源を国から地方へ移管させる事が地方分権確立の第一条件になってきます。そして、現在の都道府県制度の下でも「真の地方分権」を確立させる事ができるはずだと、小生は考えてました。
県議会議員が不要になるから(但し、仮に道州制が導入されたとしても仮称・州議会議員は、例えば北陸州なら7~10名程度、関西州なら4~6名程度は本県から選出されると推測されます)廃県置州とも言える道州制に消極的なのではありません。国が存在してこその地方分権です。地方分権改革をしっかりとやった上で、国の財政再建のための道州制を導入すべきというのが持論でした。
しかしながら、政府は2009年度までに「道州制ビジョン」を策定し、国民的議論をした後2013年までに道州制関連法案を制定、2年程度の移行期間を経て2015年頃には道州制導入を実現させるようで、現実は、道州制と地方分権改革の同時進行となるようです。また、地方分権確立に欠かせない権限の移譲をするためには、都道府県を越えた広域的な受け皿が必要となることも少しは理解できました。
いずれにしても、6~8年後には日本再生の新制度がスタートする事になりそうです。政治にたずさわる者として、私利私欲や利害関係を自ら解き放ち、町民益・県民益・国民益に視点を置き、活動・提言して行く決意を新たにした一日でした。
はじめまして。日本道州制研究会の山中と申します。上記URLにて道州制や地方分権の特集をしています。福井県は道州制の区割り困難県ですが、嶺南のあくまで関西州という方針を尊重して、北部もそうするか県がわかれてもしかたないのか、西川知事の道州制への消極的態度を別にして、検討する段階に来ていると思います
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