富山県黒部市宇奈月温泉において、8月から8輪の乗合電気自動車が実証運行を行っています。これを機に、時速19km以下で走る電気自動車がまちづくりに果たす役割について考えるシンポジウムが、開催されました。同じ型のバスは群馬県桐生市でも試乗会と走行試験を行っていて、桐生市での取り組みに至った経過から、現在の運行状況や乗客からのアンケート結果、今後の課題などが報告されました。 福井の中心市街地をトコトコ小型のバスが走り、お年寄りや買い物袋を持った人、観光客が利用するにはちょうどいいのではないかと思い、シンポジウムに参加しました。イメージは遊園地などにある移動用バスです。
化石燃料を依存しない電気自動車の低速バスは、時速19km以下で走るため、①安全性が高く開発コストが低い。②メンテナンスが容易で、運用コストが低い。③死亡事故が起きにくい。④ゆっくり走るため街並みやショッピングスポットが目に入りやすい。⑤簡単に止まれ、どこでも乗り降りしやすいため買い物や観光に役立つ。⑥温暖化対策に貢献。⑦乗車中はゆっくりした時間の流れの中で会話がはずみ人と人とのつながりが期待できる。などのメリットが挙げられました。
一方で、まだ開発途中であるため、バスには窓がなく気温や雨風が乗客に直接影響してくる事、低速で運行するため他の自動車が追い抜く場合の道幅や周囲の安全確保が必要になるなど解決課題もあるようです。今後のデータの収集と車体の改良が期待されます。
自家用車をどこで降りてもらい、低速バスや他のバス、公共交通と組み合わせていくか、場当たり的な政策では活用できませんが、街歩きの魅力づくりには使えるバスだと考えます。
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