9月18日に第48回社会保障審議会介護保険部会が開催され、「社会保障改革国民会議報告書」に出された、特養への入所を要介護3以上に限定することについて、否定的な意見が多く出されたとの報道がありました。私も限定には否定的です。
全国老人福祉施設協議会の桝田委員の提出資料にもあるように、特養では「入所判定基準」に基づき、重度者優先の入所判定が進み、すでに重度化しています。また、認知症の症状によっては、たとえ介護度が軽度でも在宅生活が困難であったり、周囲の人間関係に障害が生じているケースが多くあります。特養が今まで担ってきた大きな役割を「報告書」は理解していないように思います。
そうした中、今回の介護保険部会の意見は正しい議論の場となっているように思いました。
要支援を介護保険制度から切り離すといった改革案もそうですが、ベースとなる介護保険施設ならびに、その他施設の運営基準や医療体制を見直し切れ目のないサービスが受けられるよう見直さなければなりません。
介護保険制度が始まった当初は、要支援のサービスは、ありませんでした。介護予防サービスが始まった当時(今もですが、)私は、要支援を設けることには否定的でした。しかし、今は、いったん制度を作ってしまってから、急にゼロにする事はできないと思います。
財政的理論や数字ではなく、それぞれの地域、個々の現場の状況を把握して、介護サービス、福祉サービスを構築していく必要があると考えます。
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