福井県介護福祉士会主催の講演会で、約25年間母親を介護し続けている男性介護者のお話を聴きました。
聴いている間、私が施設相談員としてケアマネジャやデイケア職員と一緒に在宅介護に関わっていた頃の事が、次から次へと思い出され「ああ、そうだった。そんなこともあるよねぇ~。」などと感じていました。そして、議員を目指したときの〝思い″ を再認識させていただきました。
講師の方は、家族の立場から今までの経験や思いをストレートに、介護を職業としている介護福祉士会のメンバーに投げかけてくださいました。
「デイサービスから送り届けてもらっても、声掛けもなく母を置いていくように帰る職員さんを見て、心がないなあと感じた。」
「サービス事業所や職員に対して、苦情も言いたいが、言うと母に返ってくるのではないかと思って、言えなくなる。」
「いろいろな事業者があるが、家族にはどこがいいのか、選択できない。もっと公的に評価して情報を流してもらえないか。」
「家族は在宅介護をして少しでも本人が良くなるように、元気になるように努力をしている。ところが、良くなると今までのサービスが受けられなくなる。少しでも良くしようとする家族の努力する心を、国は逆手にとって、国の支出を抑えようとするのはおかしい。」
「介護職は、つらい仕事だと私も理解している。」
「在宅介護をしていると、どうしても自分の時間が制約されてしまう。」
最近の介護サービスは多種多様な事業が展開されているため、家族にとっては、どこが本人に会っているのか、どの事業者が一番親切で、より良いケアをしているのか判断がつかないでしょう。
お年寄り、家族とサービスを結びつけるケアマネジャもすべてを把握しているわけでもありません。さらには介護に携わっているサービス事業者、職員も次々誕生し決して高いレベルのサービス提供が、途切れないような状況が出来上がっているとは言えません。
国が目指す(私達も目指さなければならないのですが、)安心で、質の高い在宅介護を実現させるには、公平な事業評価と情報提供、そして介護に携わる各職種、各職員の連携と研鑽がますます求められます。
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