平成21310日招集

1回棚倉町議会定例会提出議案町長説明要旨

本日ここに、平成21年第1回棚倉町議会定例会を開催するにあたり、議案の説明に先立ち、21年度の主要な施策の一端を申し上げ、議員各位をはじめ町民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

本町の21年度予算の編成にあたりましては、国の予算編成基本方針と地方財政計画の内容並びに、県の市町村予算編成指針を踏まえ、20年度決算見込みに基づき編成したところであります。世界の金融資本市場の危機を契機に、世界的な景気後退が見られる中で、本町財政は極めて厳しい状況ではありますが、国・県補助金及び自主財源等の歳入財源の確保に努めるとともに、行財政改革により、人件費をはじめ事務事業の見直し等の歳出削減に取り組み、第5次棚倉町振興計画に掲げた諸施策を積極的に実施しようとするものであります。

平成21年度の主要な事業並びに施策について御説明申し上げます。第1に「輝きつづける人づくり」についてであります。

まず、幼児教育につきましては、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期であることから、幼稚園教育については、幼児期の特性を踏まえながら、遊びの中で主体性を発揮し、人とのふれあいや基本的な生活習慣の確立など、心豊かにたくましく生きるカの基礎づくりに努めてまいります。

さらに、教育環境の充実を図るため、幼稚園の遊具の整備や特別支援策としての介助員の配置をはじめ、「預かり保育」については、21年度において高野幼稚園についても実施することとしたので、町立四幼稚園すべてにおいて実施することにより一層の子育て支援の充実が図られ、あわせて冠婚葬祭等で一時的な預かりを受け入れる「一時預かり制度」の実施など、子供たちを安心して育成できる環境の整備拡充に努めてまいります。また、通園手段の確保を図るため幼稚園送迎バスの運行についても引き続き実施いたします。     

次に、学校教育につきましては、新学習指導要領が小学校は23年度から、中学校は24年度から本格実施することになりますが、21年度から可能なものは移行措置として実施することを基本方針としています。特に、小学校5年生6年生における外国語活動については、時数の確保は勿論でありますが、本町が雇用しています「外国人英語指導助手」の生きた語学指導の充実に努めるとともに、中学校においては、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育として「武道」を教育課程に編成するなど、伝統的な考え方や個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求する教育の向上に努めてまいります。

次に、児童生徒の学力向上の推進につきましては、学力向上推進委員会や各学校での授業研究を積極的に導入するなど、わかる・できる授業の取り組みを通して「確かな学力の育成」を図るため、引き続き小・中学校の連携を図りながら学力向上の推進に努めてまいります。特に、二学期制のメリットを最大限発揮できるよう、導入してからの課題やデメリットの検証を行うとともに学校現場との連携を図り「特色ある学校・特色ある教育」の構築に努めてまいります。

次に、子供たちの安全・安心の教育施設の環境整備につきましては、棚倉小学校、近津小学校に引き続き、棚倉中学校校舎の耐震補強改修事業を21年度22年度の二ヵ年継続で実施するとともに、高野小学校校舎並びに屋内運動場の耐震診断を実施するなど、他事業に優先して実施してまいります。'

また、突然の心停止から救命率の大幅な向上が期待されているAEDを全小学校に配備し、非常時に敏速な対応ができるよう研修機会を設けながら整備を図ってまいります。次に、学校給食につきましては、食の安全・安心を確保するため地産地消の推進に努めながら国内産の優良食材の調達に努めてきたところでありますが、主食の食材をはじめ副食の材料において微増ながらも価格の高騰が続いており、特に、20年度後期での給食用食材の調達費が極めて厳しい状況となり、給食献立に苦慮しているところであります。このような状況を踏まえ、町学校給食センター運営委員会において、給食費値上げの検討を慎重に進めたところ、給食における栄養バランスの確保や給食を通じての食事の楽しさ、食育学習の推進など、引き続き地場産の食材を主体としながら国産の食材をもって、安全で安心して食べることのできるおいしい学校給食を提供するためには、10円の値上げもやむを得ないと決定され、町教育委員会においても慎重審議を重ねた結果、苦渋の選択ではありますが21年度からの給食費の値上げに踏み切ることになりましたので、町といたしましても教育委員会の決定を真摯に受け止め、給食費の改定について容認したところであります。

次に、生涯学習の充実につきましては、今日の社会・経済情勢の急速な変化に伴い、自己実現や生きがいのある生活を求め、生涯を通じた学習活動に対する要求は、ますます多様化し、高度化する様相を強めております。昨年、本町では「第20回全国生涯学習フェスティバル」の地域開催地の1つとして、参加・体験型のイベントを開催したところ、町民をはじめ県内外から多くの参加者がありました。これは生涯学習への関心と意欲の表れであろうと思います。このため、引き続き各種学級、講座等を開催し、子どもから大人まで幅広い学習機会の提供に努めてまいります。

次に、スポーツの充実につきましては、施設の整備に努めるとともに、競技種目の普及を図っているところでありますが、明るく豊かな生活や生き生きとした人間関係が形成されるよう、スポーツ・レクリェーションの生活化に取り組んでまいります。

次に、芸術・文化の充実につきましては、優れた芸術を鑑賞する機会の充実と自発的に取り組まれている多様な文化・芸術活動の促進に努めるとともに、文化的イベントの実施や文化を生かした町づくりに努めてまいります。

また、文化財保護事業につきましては、流廃寺跡の発掘調査を15年度から実施しているところであり、21年度においても国指定史跡を視野に入れ、引き続き調査を実施してまいります。

2に「共に生きるふれあいづくり」についてであります。

まず、母子保健事業につきましては、妊婦健診について、20年度より出産までの健診費用15回分を補助し、安心して出産できる体制としたところであります。国においても、21127日より新たに6回目以降14回目分までの健診費用を補助対象に拡大することになりました。今後も妊産婦・乳幼児の健康診査や育児相談・指導を実施いたします。

次に、老人保健事業につきましては、健康の保持と適切な医療を受けるため、介護予防事業との連携により、住民健診や各種ガン検診等を実施します。20年度から健康増進法によって、特定健診として、各保険者が被保険者の健康管理を行うことになりましたので、その結果に基づき、積極的支援該当者などへの特定保健指導を、保健師・栄養士等の個別指導により行い、生活習慣病の早期発見や予防に努めてまいります。なお、27年度を目標とした「健康たなぐら21計画」において、町民一人ひとりが主体的に健康づくりに取り組み、各種団体や関係団体においても、一体となった健康づくりを展開できるよう、健康づくりの具体的内容を掲げておりますので、この計画を踏まえ、「筋力アップ教室」や「健康づくり教室」など、更には、食生活改善推進委員を中心とした各種料理教室や栄養士による食生活・栄養改善指導にもカを入れてまいります。

次に、児童福祉につきましては、少子化の進行に対応するため、子育て支援策として、保育事業運営の充実と、特別保育事業の積極的な取り組みを支援し、放課後児童健全育成事業の児童クラブ等安心して就労できる子育て環境の充実に努めてまいります。また、児童手当の支給につきましては、国の制度のなかで実施しておりますが、重度心身障害児扶養手当やひとり親家庭医療費の給付事業も引続き実施してまいります。

また、子ども医療費につきましては、現在小学校就学前の乳幼児を対象に無料化を実施しておりますが、乳幼児や児童・生徒は町の将来を支える宝でありますので、安心して子育てできる環境づくりや、充実した子育て支援の必要性を考え、4月から、「健やか子育て医療費助成事業」として、現在の就学前までを中学3年生までに医療費の無料化の拡大を図ってまいります。

次に、高齢者福祉につきましては、高齢者保健福祉計画及び介護保健事業計画により、引き続き保健福祉センターを活用した、閉じこもり予防や寝たきり等防止のため、介護予防教室、高齢者筋力トレーニング事業、生きいきデイサービス事業に取り組んでまいります。また、地域における出前教室として、栄養改善教室、口腔教室、認知症予防教室などの事業を実施いたします。

次に、障がい者福祉につきましては、重度医療費の助成をはじめ、日常生活用具の給付や、障害者自立支援制度により、精神障がい、身体障がい、知的障がいそれぞれの障がいのある方々が自立した社会生活が送れるよう、介護給付、訓練等給付、自立支援医療、補装具給付等の自立支援サービスの推進につとめてまいります。

3に、「人・物の流れをつくる産業づくり」についてであります。まず、農業の振興につきましては、農産物価格の低迷、担い手の減少や高齢化などの進行により農業生産構造が脆弱化し、遊休農地が拡大する傾向にあります。このため、引き続き生産体制や生産基盤の充実・強化に取り組み、意欲ある担い手の育成や優良農地の保全を図り、イチゴやトマトなどの産地化と効率的・安定的な農業経営を確保し、魅力と活力ある本町農業の確立に努めます。

また、今年度は、町・農業委員会・JA東西しらかわ等の関係機関・団体が連携して積極的な遊休農地対策を講じてまいります。これまで、遊休農地対策としてスタートしている特産品の「ブルーベリー」の生産につきましては、生産量が年々増加していることから、生産団体である「ブルーベリー愛クラブ」におけるジャム製品等の製造、販売をはじめ、      次の新商品の開発や販路の拡大等必要な支援をしてまいります。

次に、本町農業の核となる「水田農業」につきましては、消費者や市場重視の考え方に立った需要に即応した米作りによって、水田農業の安定と発展を図るため、16年度から始まった国の水田農業構造改革を推進するため、JA東西しらかわや集荷業者と連携し、改革の制度や生産調整の実施に関しては、各農事組合を通じて生産農家の理解と協力を得て、生産目標数量の達成に努めてまいりましたが、充分な成果が得られませんでした。これらの傾向は、米どころといわれる地域の共通課題となっております。

このような中で、国においては、生産調整の推進と自給率の向上の観点から、これまでの産地づくり対策を「産地確立対策」とし、新たに水田の有効活用を図り、今後3ヶ年の食料供給力向上対策に取り組むこととしております。県におきましても「ふくしま水田農業改革実践プログラム」の推進を図るため、戦略的産地づくり総合支援事業をはじめ、各種推進事業に取り組むこととしております。町におきましては、農業者に対し、これら国・県の推進策と併せて町独自の推進策の情報提供と取り組みへの理解を求めていく考えであります。

また、高齢化や混住化が進行して、農地や農業用水などの資源を守る地域の「まとまり」が弱まっています。更に環境への関心が高まる中で、良好な農村環境の形成や環境を重視した農業生産への取り組みが求められており、農地・水・環境の良好な保全と質的向上を図ることが重要であります。そこで、今年度は、新たに「農地・水・環境保全向上対策事業」へ取り組む意欲ある集落組織への推進を図り、さらなる資源の良好な保全や農村環境の向上に努めてまいります。

次に、林業の振興につきましては、今日の森林・林業の情勢は、外材との競争や採算性の悪化、担い手の減少や高齢化など極めて厳しい状況にありますが、184月に見直しを行った「棚倉町森林整備計画」において、水土保全と資源の循環利用、更には、森林と人との共生を重視した森林整備を推進することとしております。

今年度につきましても、これら推進のため、国・県補助金等の導入を図り、下刈りや除・間伐等の保育事業を計画的に推進し、林業の活性化に努めてまいります。また、森林の景観を保持するため、松くい虫の防除についても引き続き実施するとともに、県の「森林環境税」を活用した啓発事業や重点枠の本格的な活用を図り、社川小学校希望の森及び流廃寺跡周辺の森林整備に取り組むほか、森林資源の保全と水源の酒養に努めてまいります。

次に、商工業の振興につきましては、町が13年に策定しました「棚倉町中心市街地活性化基本計画」に沿って、中心市街地の整備事業を進めて参りましたが、より魅力ある商店街の環境づくりを推進するため、関係団体となお一層の連携を図りながら、今後も基本計画に沿った各種事業を進めてまいります。

一方、今回の世界同時不況は、日本の名だたる大企業にも大きな影響を及ぼし、輸出関連製造業を中心に減産計画が進み、関連中小企業の経営に大きな影を落としているところであり、本町の製造関連企業においても受注高の減少が顕在化するなど、厳しい経営環境の局面にあるものと認識しております。

このような状況の中、国においては、中小企業者向けに緊急保証融資制度を創設し、不況業種を本年度当初の76業種から760業種に拡大し、運転資金及び設備投資資金にかかわらず、事業の安定に必要な資金として1事業所最大で28,000万円まで信用保証協会が100㌫保証する資金供給を開始しており、県においても、融資枠を610億円までに拡大した経営安定特別資金を創設し、県内中小企業者に対する経営安定化の支援を実施しているところであります。

本町におきましては、「商工業者経営合理化資金融資制度」による融資枠を3億円確保し、制度利用者の借入時における信用保証料の補助を実施することによる金融支援を実施しており、今後、制度利用の需要が多くなり、融資枠を超えるようであれば、融資枠の拡大を図り、商工業者に対する金融面からの支援の強化を図ってまいります。

次に雇用についてでありますが、世界的な景気減速による雇用情勢の悪化につきましては、周知のとおりであり大変憂慮しているところであります。町といたしましても雇用情勢に係る情報の把握に努め、「棚倉町無料職業紹介所」を活用した相談窓口を引き続き開設し、さらには、緊急雇用創出基金事業の実施等により、新たな雇用の確保を図りながら、雇用行政を担う国、とりわけ出先機関である「ハローワーク白河」と連携を緊密に取り、雇用情勢の安定に努めてまいります。

次に、観光の振興につきましては、景気が低迷する中、個人消費が冷え込み、依然厳しい状況にありますが、観光パンフレットや観光ホームページの充実を図り、積極的に観光PR活動等を推進することにより、ルネサンス棚倉及び山本不動尊等を核とした、誘客に努めてまいります。

次に、ルネサンス棚倉の経営状況につきましては、経済状況の悪化が進む中で、国内観光客の落ち込みのあおりを受け、さらには、顧客のニーズの変化、施設の老朽化や価格競争による影響を受け、施設利用者、宿泊者が下半期において特に落ち込み、経費の削減を図りながら対応しているところでありますが、今年度の経営につきましては、昨年度以上に厳しい状況となっています。

このようなことから、施設の改善及び経営の改善を図るため、経営の専門家である経営コンサルタントに依頼する等、経営の安定を図る取り組みをしてまいります。第4に、「豊かな水と緑のくらしづくり」についてであります。まず、公共下水道事業につきましては、水洗化の推進を図るため、20年度に引き続き、丸内、堂ノ前地区の汚水管渠建設工事を実施する計画であります。工事期間中は通行に不便をかけることになりますが、地域の方々の御理解と御協力を得ながら下水道施設の整備を図り、衛生並びに住環境の向上に努めてまいります。

下水道への接続につきましては、2010月現在の接続率が公共下水道で49.1㌫、農業集落排水で63.2㌫であることから、引き続き接続に対する理解を求めるとともに、浄化槽対応地区についても設置費の助成により全町水洗化を推進してまいります。

次に、上水道事業につきましては、水道水の安定供給と生活環境の充実を図るため、長期的展望に立った既存施設の改善や老朽管の更新事業に取り組み、石綿セメント管布設替工事並びに井戸洗浄・水中ポンプ取替工事を今後とも計画的に進めてまいります。また、水道事業の運営につきましては、住民の節水意識の向上や給水人口の減少等により給水収益が伸びない状況が続いておりますが、今後とも維持管理経費の削減や事務の効率化等に取り組み健全な運営に努めてまいります。

次に、砂防対策につきましては、16年度から工事が進められてきた関口地区の井戸作沢砂防工事が21年度で完了する予定となっております。また、八槻地区のイノシシ沢砂防工事につきましても21年度で完了する予定となっております。残る、八槻地区の長沢左支、八ツ脇沢、大宮沢及び柳町沢砂防工事につきましても、早期完成に向け、引き続き福島県へ要望してまいります。

5に、「安心・快適な社会基盤づくり」についてであります。まず、町道の整備につきましては、補助事業として風呂ヶ沢・堤線の排水対策工事を予定しております。また、一般単独事業として山際・上手沢線交差点改良工事などの整備を予定しておりますが、限られた予算の中で適切な箇所選定を行い、道路の維持修繕にも万全を期してまいります。

次に、国・県道の整備状況について申し上げます。国道118号棚倉バイパス第4工区、大宮地内の整備につきましては、仮橋により供用されておりますが、21年度中の全線開通に向け、引き続き要望してまいります。そのほか、危険箇所の解消につきましても、要望してまいります。

次に、県道の整備につきましては、側溝の整備、交差点・狭隆区間などの改良工事を実施していただいておりますが、引き続き危険箇所等の解消に向け、福島県へ要望してまいります。

次に、本町のブロードバンドの整備状況につきましては、NTT東日本への要望活動などにより、今年22日から棚倉33局全域で「Bフレッツ」のサービスが開始され、また、36局においてもADSLによるサービスが行われており、ブロードバンド化されていない地区は、高野地区の35局のみとなっている状況にあり、これらの情報格差を解消するため、ADSL機器等の整備を図りブロードバンド化を進めてまいります。

6に「協働と交流のまちづくり」についてであります。まず、行政サービスの向上につきましては、179月より、証明書自動交付機を設置し、住民票の写をはじめ、印鑑登録証明書及び税務証明書を交付しているところであり、昨年4月から3年間、住民基本台帳カード交付手数料の無料化を実施しており、より一層の普及拡大に努めてまいります。

次に、住民参加によるまちづくりにつきましては、各分野において住民の参加を得て進めているところであり、より一層の住民参加の機会と体制の拡充、情報公開、広報・広聴活動の充実を図ってまいります。

次に、町職員の人材育成につきましては、本町では得られない経験をすることで、柔軟な発想力や視野の拡大につなげるなど、職員の人材育成を図るため、人事交流や職員の派遣を進めてまいります。

まず、職員の人事交流についてでありますが、21年度、横浜市との人事交流を実施いたします。また、福島県後期高齢者医療広域連合への職員派遣についてでありますが、広域連合職員につきましては、県内市町村の派遣で対応することとされており、2122年度の2年間、本町職員を派遣することといたしましたので御報告いたします。

次に、提出議案について御説明申し上げます。今定例会に提出いたします議案は、21年度一般会計予算をはじめ、特別会計・事業会計予算、20年度補正予算及び条例の制定並びに一部改正等41件であります。まず、当初予算関係議案につきましては、只今、主要施策について申し上げたところでありますが、町政の根幹をなす21年度一般会計予算規模は、歳入歳出総額は483,400万円で、前年度予算に対して1.0㌫減額の予算としたところであります。この主な歳入財源としては、町税191,5256,000円、地方譲与税7,3871,000円、地方消費税交付金13,3759,000円、地方交付税129,3641,000円、国県支出金51,1253,000円、町債は、臨時財政対策債を含めて32,1827,000円を充てるほか、財政調整基金14,300万円のほか、人材育成基金など4,180万円を取り崩すことといたしました。

次に、一般会計以外の国民健康保険、後期高齢者医療、老人保健、介護保険、簡易水道事業、公共下水道事業、農業集落排水事業、宅地用地取得造成事業及び霊園整備事業などの特別会計につきましては、総額30730万円を計上いたしました。

まず、主な特別会計、事業会計でありますが、国民健康保険特別会計につきましては、予算総額が158,1569千円となり、前年当初対比4.9㌫の増額となっておりますが、増額の内容については、国の指針において過去の実績や近年の動向を踏まえることを基本としていることから、20年度実績見込額に一定の伸び率を乗じ算出いたしました医療費推計額の増が主な要因となっております。

次に、国保税の計上内容でありますが、医療分課税額において、前年本算定時と対比いたしますと、医療費の見込額が影響し20.6㌫の増となり、1世帯当たり147,867円、被保険者1人当たり7627円となります。また、後期高齢者支援金分は、前年当初対比で3.4㌫減となりましたが、被保険者数の減少が影響し、1人当たりでは、220円増額の21,283円となります。

更に、介護分については、納付見込額の減少に伴い前年度を下回っており、5.5㌫減少し、1人当たりでは21,811円の計上となりました。これら歳入見込みとしての国保税につきましては、毎年6月の本算定時になりませんと、被保険者数や応能割課税の基礎となる総所得等が確定されませんので、現時点では、20年度課税べ一スによる暫定的な収入見込額を計上しております。21年度の特徴的な内容を申し上げますと、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、20年度より、65歳以上の退職被保険者が廃止され、一般被保険者に移行されましたが、20年度当初において、移行額の計上が過少であったため、一般分と退職分の療養給付費や医療分課税額計上に、それぞれ増減額が生じる計上となっております。

なお、本予算案につきましては、224日に開催の国民健康保険運営協議会に諮問し、原案に異議のない旨の答申を得ておりますので、御報告を申し上げます。

次に、後期高齢者医療特別会計につきましては、予算総額12,2746,000円となり、前年度当初予算対比4.8㌫の減となりました。後期高齢者医療制度においては、制度施行2年目を迎えたところであり、21年度の被保険者にかかる保険料賦課額の概要を申し上げますと、昨年度決定された均等割4万円、所得割率7.45㌫を基本に、国民健康保険税と同様に、低所得者に対する均等割の軽減措置や被用者保険の扶養者にかかる2年間の5割軽減のほか、国の特別対策事業として、年金収入80万円以下低所得者については9割軽減、所得割額賦課対象の所得額91万円以下の方については5割軽減、更には、被用者保険の扶養者について均等割9割軽減が、一定要件の判定により実施されます。

また、本町の事務処理につきましては、広域連合及び本町の後期高齢者医療に関する条例を基本に、連携を図りながら、円滑な事務処理に努めてまいります。次に、介護保険特別会計にっきましては、予算総額84,2397,000円となり、前年度当初予算対比17.8㌫の増となりました。予算の内容につきましては、21年度から23年度までの3年間の第4期介護保険事業計画に基づき推計し、介護給付費準備基金の取り崩しを行い、極力低い保険料率の設定に努めたところでありますが、新たに開設されたグループホームや近隣市町村に開設された特別養護老人ホーム、老人保健施設への入所等により、介護給付費の負担も年々増加している状況にあり、その結果、基準保険料年額で、37,200円、月額に換算いたしますと3,100円となり、率にして29.2㌫の引上げとなります。今後も介護予防事業などを積極的に展開し、安定した介護保険事業の運営に努めてまいります。

次に、上水道事業会計予算につきましては、収益的収入では、前年度対比1.6㌫減の

48813,000円を計上し、収益的支出では1.9㌫減の39,8093,000円の計上になりました。また、資本的収支では、収入、支出とも補償金免除による起債の繰上償還に要する費用により予算額が増加しておりますが、建設改良事業費は前年並みであり、収支差引15,9129,000円の歳入不足につきましては、過年度分損益勘定留保資金等により補填し運営する内容となっております。

次に、主な条例改正等関係議案でありますが、まず、町長等三役給与及び課長等の管理職手当について継続して削減するための関係条例の一部改正、また、職員の特殊勤務手当対象業務削減のための条例の一部改正などにより総人件費の抑制に努めてまいります。その他、21年度からの第4期介護保険事業計画に伴う保険料率の改定のための介護保険条例の一部改正、中学3年生までの医療費の無料化の拡大に伴う国民健康保険条例の一部改正、福祉基金の財源活用拡大に伴う条例の一部改正、敬老祝金支給条例の一部改正、高野地区35局のブロードバンド化を図るための辺地にかかる公共的施設の総合整備計画の策定議案等であります。

次に、20年度の補正予算関係でありますが、一般会計につきましては、国の補正予算に関連するものが主なものであります。定額給付金についてでありますが、景気後退下での住民の不安に対処するため、定額給付金を給付することにより住民への生活支援を目的とし、あわせて、地域の経済対策に資するものであります。

また、子育て応援特別手当費、水害・土砂災害対策として流地内の雪解沢河川改修事業、棚倉中学校校舎耐震補強改修事業、町内各学校児童生徒が使用するパソコンの整備事業、人工芝の張替えを行うルネサンス棚倉多目的広場整備事業などそれぞれ予算計上するものであります。なお、今回予算計上し、繰越明許費により翌年度に事業実施となります。その他の特別会計につきましては、事務事業費の確定等による係数整理のための補正であります。

以上が提出議案の概要であります。大変厳しい財政状況のもとではありますが、第5次棚倉町振興計画に掲げる「北緯37度自然・歴史人が輝く棚倉町」の実現に向け、職員一丸となり取り組んでまいる所存でございますので、議員各位をはじめ町民の皆様には、一層の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

議案の詳細につきましては、それぞれ主管課長より説明をいたさせますので、慎重御審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げ、提出議案の説明といたします。
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