10月17日 高知工科大学にてスラリーアイスを用いた地域振興事業について調査しました。
「スラリーアイス」とは、塩分濃度1%の塩水から作るシャーベット状の氷です。(イメージは雪を水で溶かした、シャバシャバの状態)0.2ミリほどの細かく丸い粒状で、魚が体にあたっても傷がつきません。また、凍結寸前のマイナス0.8度で魚を包み込むため解凍時の劣化もなく、釣りたてのおいしさを保つことができるそうです。
高知工科大学が技術を提供し民間企業が製造装置を製作、現在は販売を行い用途に応じた製造装置を全国に納入しているそうです。
釣りたてのおいしさを保てることから、高知県中土佐町では(㈱中土佐町地域振興公社が中心となり、一本釣りをした鰹をすぐに「スラリーアイス」を使い冷蔵し、加工、「ぴんぴ鰹のたたき」のブランド商品を開発、販売しています。試食をさせてもらいましたが、歯ごたえがしっかりあり、うま味も非常に強く感じました。視察後、別の場所で“本場土佐の鰹のたたき”を売りにしている食事処へ行きましたが、まったく別物に感じるくらいおいしさが違いました。
産学官連携とよく言われますが、大学、装置製造企業、まちづくり企業、そして町役場が一体となって取り組んだことがよくわかりました。
水産業では通常の氷は、大量に製造でき装置も整っているため漁獲量が多い魚はどうしても氷を使わざるを得ません「スラリーアイス」を使うのはごく一部に限られているようです。しかし、スーパーマーケットでの使用、成功事例も紹介され、生鮮魚類やその他の生鮮食品を含め、流通過程全体のなかで「スラリーアイス」を有効に使えるのではないかと感じました。
最近のコメント一覧