福井労働局が発表した5月の県内有効求人倍率は、前月比0・03ポイント増の1・51倍で、全国3位になったそうです。「1・5倍に達したのは平成8年11月以来で、景気回復基調による基幹産業の伸長が好影響し、17年7カ月ぶりの高水準となった。新規求人数は前年同月比10・8%増の6373人。業種別では製造業が24・2%、卸・小売業が13・4%、建設業が同9・8%と高い割合で増加。堅調だった卸・小売業に加えて景気の回復傾向や公共事業の増加などが追い風となり、県内の基幹産業が順調に伸びている状況がうかがえる。」とのニュース記事ですが、2年前全国の求人倍率が1を割っていた状況のなかでも福井県は1.0を超え、全国トップでした。順位は高いですが、順位に見合った好景気をつかんでいるのでしょうか。県民一人当たりの所得ランキングとなると10位代に後退します。つまり、福井には大企業が少なく、中小や零細企業がほとんどであり中国や東南アジアなどの企業との価格競争のため、人材は必要だが賃金は上げられない状況の中で、共稼ぎをしながら黙々と働く、福井の県民性を見ることができます。
また、有効求人倍率が1.51倍でありますが、求職者が求める職種とのミスマッチがみられるようです。多くの人がホワイトカラーのサラリーマンとして思い浮かべる事務的職業の求人が少なく、建設や介護などの求人は好調ですが、現場の好況感は低いようですし、「採用してもすぐに辞めていく」人もいるようで、慢性的な人手不足が続いているとも聞きます。 有効求人倍率が全国のなかで高くても、雇用のミスマッチや賃金の低迷があっては、「全国トップクラス」と胸を張っては言えません。
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