平成23年12月20日招集
第5回棚倉町議会定例会提出議案町長説明要旨
本日ここに、平成23年第5回棚倉町議会定例会の開催にあたり、年の瀬を迎えお忙しい中、御出席を賜り心より感謝を申し上げます。
本定例会に提出いたします議案は、工事等の変更契約に係る専決処分の報告2件、予算の専決処分の報告及び承認に関する議案3件、暴力団排除条例制定議案1件、福島県人事委員会勧告に準じ、給与等改定に関する条例の一部改正議案1件、白河地方水道用水供給企業団の解散に伴う議案2件、白河地方広域市町村圏整備組合規約の変更議案1件、平成23年度補正予算に関する議案8件の総数18件であります。
さて、議員各位の任期もあとわずかとなりましたが、この4年間、厳しい財政状況の中で、議員各位の御理解と御協力により本町行政が着実な進展を見ましたことは、誠に御同慶に堪えないところであります。
ここで、この4年間の主要な事業を振り返って見ますと、平成17年度を初年度とし、平成26年度を目標年次とする第5次棚倉町振興計画も7年目を迎え、ほぼ計画通り事業が推進されてきております。
まず、平成19年度には、生きる力を育むために効果的である二学期制について、前年度に導入しました幼稚園、小学校に引き続き中学校においても導入いたしました。また、子育て支援対策として、放課後児童クラブでは、平日の放課後のほかに、夏休み、冬休み、春休みの長期休業日、及び毎週土曜日についても児童の受入を拡大し、子育て支援の充実を図ってまいりました。
次に、平成20年度には、棚倉町中心市街地活性化基本計画に沿って進めてきました中心市街地整備事業により、古町商店街の歩道整備事業を実施いたしました。また、人体に悪影響を及ぼすアスベストの除去事業として、町総合体育館アリーナ天井のアスベストの除去を実施いたしました。
次に、平成21年度には、健やか子育て医療費助成事業として、これまでの小学校入学前までが対象者であった医療費無料化について、対象者を中学3年生まで拡大して、より一層の子育て支援の充実を図りました。また、小中学校のICT化に伴う教材用パソコンの更新並びに電子黒板の導入により、児童・生徒の情報教育環境の充実を図り、さらに、ルネサンス棚倉多目的広場整備事業として、人工芝の張替を行い、施設の整備充実をすすめてまいりました。
次に、平成22年度には、教育環境及び子育て支援の充実を図るため、幼稚園、小学校における特別支援対策として支援員を設置する一方、町内全幼稚園において預かり保育を実施し、さらには、子供が誰でも自由に来館できる棚倉町子どもセンターを開設し、子供の健康の増進と豊かな情操を育てる環境の充実を図ってまいりました。
また、文化財保護事業につきましては、歴史的資源の活用として、町指定文化財であります棚倉藩ゆかりの茶室を城跡の追手門跡周辺に移築し、保存・活用を図ってまいりました。
そのほか、再生可能エネルギー対策につきましては、住宅用太陽光発電システム設備費補助金を創設することによって、住宅用太陽光発電システムの導入支援を実施し、さらに、情報基盤の整備につきましては、情報格差の解消を図るため、高野地区及び一色地区に光ファイバー網を整備してまいりました。
次に、本年度は、東日本大震災で被災した中央公民館に代わる施設として、振興計画を前倒しして社会教育複合施設の整備に着手し、現在多くの方々の御意見をいただきながら、図書館を主体とする施設として、設計委託を行っております。また、予防接種事業につきまして、新規予防接種として、希望する中学女子生徒を対象に、子宮頸がん予防ワクチンの接種を追加し、さらなる疾病予防の推進に努めております。
そのほか、児童・生徒の安全安心のための教育施設の環境整備につきましては、平成20年度から平成22年度までに近津小学校校舎並びに棚倉中学校南校舎、北校舎及び西校舎の耐震補強改修工事を実施しており、本年度は、棚倉小学校の屋内運動場、及び棚倉中学校の屋内運動場並びに柔剣道場の耐震補強改修工事を実施しているところであります。
また、ルネサンス棚倉施設全体の老朽化を改善するため、地域活性化交付金を活用して、人工芝テニスコート10面の整備、客室テレビの入れ替えを既に実施し、年度内にはホテル棟客室内の改装等を実施する予定であります。
今後とも、引き続き振興計画に掲げました目標実現に向けて、各般の施策を積極的に推進してまいる考えでありますので、議員各位には町政進展のため、さらなる御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
次に議案の説明に先立ち、町政の状況について御報告申し上げます。
まず、放射線対策のために導入しました放射能簡易測定器の稼働状況についてでありますが、食品衛生法に基づく農作物の放射性物質の調査状況につきましては、11月初旬より放射能簡易測定器を導入し、予約により世帯ごとに1検体ずつ調査測定しており、11月末日現在の調査検体数は、150検体で、そのうち放射性セシウムが暫定規制値を超えたものは、乾燥しいたけ1検体だけでありました。その詳細調査につきましては、県へ依頼し、現在、出荷停止の要請を受けたところであります。
今後も、引き続き、生産者の不安解消のため、調査測定を実施してまいります。
次に、9月に発生しました台風15号の被害状況及び復旧の見通しにつきましては、積算降雨量が275㎜を計測しましたこの台風は、本県において、県南、県中地区を中心に甚大な被害をもたらしました。中でも、農地の被災状況につきましては、田畑への冠水や崩落、各農業用施設への土砂の流入及び施設の流失など、被災箇所は大小合わせまして約400箇所となり、その確認作業を進めながら、その復旧工法や補助災害の査定に向けた準備にあたっており、早期発注、早期完成を目指し、来春の作付けに支障がないよう災害復旧を進めてまいります。
また、林道につきましても、20路線、55箇所で法面の崩落や流失、土砂の流入など大きな被害を受けておりますので、被災箇所について早期発注、早期完成を目指してまいります。
さらに、町道、河川及び公園敷地内道路も被災しており、町道の被災状況は法面の崩落が15箇所、路肩の崩落が10箇所、側溝や桝などへの土砂堆積が18箇所、路面への土砂流入が5箇所、路面の洗堀が3箇所、河川については護岸の崩落が15箇所、公園敷地内道路については路肩の崩落1箇所で、全体では67箇所という状況であります。
このうち道路災害で4箇所、河川災害で7箇所、公園災害で1箇所の合計12箇所は、国庫補助事業の対象となりますが、残りの被災箇所55箇所につきましては、小規模な被災であることから単独土木災害復旧事業として対応してまいります。
次に、原子力損害賠償紛争審査会の追加指針に示されました損害賠償対象区域の決定につきましては、その損害賠償の対象区域から本町をはじめとする県南地域及び会津地域の26市町村が除外されているものであり、従来から佐藤知事が、精神的損害賠償は全県民を対象とするよう国に対して働きかけを行っているにもかかわらず、今回、紛争審査会から、このような賠償対象範囲、賠償金額が、何ら合理的、客観的な理由もなく示されたということは、到底容認できるものではなく、今回の原子力発電所の事故に対して、紛争審査会の認識の程度が示されたものであり、国と紛争審査会に対して不信感を持たざるを得ないというのが偽りのない気持ちであります。
この状況に対し、町では出来ることから取り組みをはじめており、現在、町民の皆様に署名をお願いしているところであり、年明けには、集まった署名を持参して国に対して賠償対象区域の見直しを求めることとしております。
次に、本定例会に提出いたします議案の概要について御説明申し上げます。
まず、報告第7号専決処分の報告についてでありますが、平成23年6月15日の棚倉町議会の議決を受けて工事請負契約を締結しました棚倉小学校屋内運動場耐震補強改修工事について、外壁モルタルの補修やトイレ給水管の腐食による布設替、及びステージ上部屋根の雨漏りの改修が必要となったことから、工事請負変更契約を専決処分したので報告するものであります。
次に、報告第8号専決処分の報告についてでありますが、平成23年6月15日の棚倉町議会の議決を受けて工事請負契約を締結しました、棚倉中学校屋内運動場及び柔剣道場耐震補強改修工事について、当初、アリーナ天井の屋根下地材をネットで抑える計画をしておりましたが、現地を詳細に調査した結果、この下地材の劣化が進んでおり、補修工事が必要となったことから、工事請負変更契約を専決処分したので報告するものであります。
次に、承認第12号専決処分の報告及びその承認についてでありますが、平成23年度棚倉町一般会計補正予算であり、補正の主な内容として、歳入につきましては、地方交付税、国庫支出金及び繰入金の増額補正、歳出につきましては、台風15号により被災した箇所の復旧をするため、農業用施設災害復旧費、林業災害復旧費、土木施設災害復旧費の増額補正など、復旧に要する緊急的な経費の補正であります。
次に、承認第13号専決処分の報告及びその承認についてでありますが、平成23年度棚倉町簡易水道事業特別会計補正予算であり、台風15号により被災した瀬ヶ野簡易水道施設の導水管を復旧するための経費の補正であります。
次に、承認第14号専決処分の報告及びその承認についてでありますが、平成23年度棚倉町一般会計補正予算であり、学校等校舎内緊急改善事業として、幼稚園、小学校及び中学校に予定している空調設備の設置工事について、当該工事の実施設計の結果、事業費が増加したことに伴う経費の補正であります。
次に、議案第51号棚倉町暴力団排除条例についてでありますが、本年7月に福島県暴力団排除条例が施行されたことに伴い、本町においても、町及び町民等の責務を明らかにするとともに、暴力団の排除に関する必要な措置等を定めることにより、暴力団の排除を推進し、もって町民の安全で平穏な生活を確保しようとするものであります。
次に、議案第52号職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例についてでありますが、福島県人事委員会勧告に準じ、官民給与格差調整を実施しようとするものであります。主な改正内容については、給料表等の減額改定及び通勤手当の増額改定をしようとするものであります。
次に、議案第53号白河地方水道用水供給企業団の解散について、及び議案第54号白河地方水道用水供給企業団の解散に伴う財産処分についてでありますが、効率的な組織、事務の効率化、職員の資質向上及び人事交流の促進を図り、複合的な広域行政を推進するため、平成24年3月31日をもって白河地方水道用水供給企業団を解散し、同企業団の財産は、全て白河地方広域市町村圏整備組合に帰属させるため、議会の議決を得ようとするものであります。
次に、議案第55号白河地方広域市町村圏整備組合規約の変更についてでありますが、平成24年3月31日をもって解散する西白河地方衛生処理一部事務組合及び白河地方水道用水供給企業団の共同処理事務を、白河地方広域市町村圏整備組合が承継することに伴い同組合規約の一部を改正するため、議会の議決を得ようとするものであります。
次に、議案第56号平成23年度棚倉町一般会計補正予算についてでありますが、補正の主なものとして、歳入につきましては、国庫支出金、県支出金、町債の増額補正、及び町税、繰入金の減額補正であります。
歳出につきましては、子ども手当の制度改正に伴う減額補正及び東日本大震災に伴う消防団福祉費の増額補正、さらに農業用施設災害、林道災害、公共土木施設災害、学校施設災害、社会教育施設災害等の補助・単独災害復旧費の増額補正など、当面する所要の経費の補正であります。
次に、議案第57号平成23年度棚倉町国民健康保険特別会計補正予算についてでありますが、現時点における医療費の動向を踏まえた療養給付費、高額医療費等の増加に伴う補正であります。
次に、議案第58号平成23年度棚倉町後期高齢者医療特別会計補正予算についてでありますが、保険料の減額及び後期高齢者医療保険基盤安定負担金繰入金の増額に伴う補正であります。
次に、議案第59号平成23年度棚倉町介護保険特別会計補正予算についてでありますが、居宅介護サービス給付費等の増加に伴う補正であります。
次に、議案第60号平成23年度棚倉町簡易水道事業特別会計補正予算についてでありますが、3月11日以降の余震による、高野西部簡易水道施設敷地内積ブロックの崩落を復旧するための、災害復旧費の増加に伴う補正であります。
次に、議案第61号平成23年度棚倉町公共下水道事業特別会計補正予算についてでありますが、補助対象事業費の確定に伴う補正であります。
次に、議案第62号平成23年度棚倉町霊園整備事業特別会計補正予算についてでありますが、霊園の維持管理の増加に伴う補正であります。
次に、議案第63号平成23年度棚倉町上水道事業会計補正予算についてでありますが、水道使用料の減収に伴う補正であります。
以上が本定例会に提出いたしました議案の概要でありますが、詳細につきましては、それぞれ主管課長より説明させますので、慎重御審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げ、提出議案の説明といたします。
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