政治主導の難しさ

  • 選挙プランナー三浦博史
  • at 2009/10/15 12:34:12

今、民主党は「官僚主導」から「政治主導」への切換を図るため必死になっています。国会では官僚には答弁させず、大臣が直接答弁することになるようですが、果たして苦労しているものの、それをもって「政治主導」といえるのかどうかは疑問です。


そもそも企業でも株主総会で微々細々にわたる事項を社長がすべて答えられるということは、ごく一部の例外を除きあり得ません。知事も同様で、知事がすべての県政の問題について答弁できるということは良し悪しの次元の話ではなく、あり得ないのです。


即ち、大臣がその省庁の課題をくまなく何でも知っていて答弁することは不可能なのです。私は官僚を無視したり、敵視すること自体、本来の国のあり方を間違えることになると思います。官僚は国民の敵ではなく、国民の無形財産であり公僕です。政治家が官僚の言いなりになることがマズイことは勿論ですが、彼らを無視・敵視することは間違っていると思います。政治家・大臣が官僚の手を借りずにすべて自らが答弁することを強行・試みるのなら、その大臣はレクチャー責め、資料責め、勉強責めとなり、知識は蓄積されるものの、政治家としての判断力・決断力が失われることになりかねません。


私が仕えていた椎名先生の好きな言葉に「省事」(事を省くに如かず)があります。微々細々なことは官僚に任せ、大臣たるものは国の根幹に関わる政策の指針を示すことが大切なのではないでしょうか。大会社の社長が、経理や営業、技術部門の一部始終に目を通し、株主総会で自らすべて答えるなどということは、ワンマンで社員を信用していないということにも繋がります。まずは社長が社員を信じるところから経営の歯車が廻り出していくということを尊ぶべきでしょう。


私は公務員を敵視・無視する政治家は、たとえ国民的人気が高くても、決して長続きしないと思います。



※この記事は 「選挙プランナー 三浦博史の選挙戦最新事情(http://www.election.ne.jp/planner/80448.html)」 と重複しています。ご了承下さい。

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