今回の小沢氏の敗北は当然の結果といえるでしょう。
そもそも、ナチスのゲッペルスでさえ、あの手この手を駆使して世論誘導、世論操作をし、ナチ政権を誕生させたのです。大衆をバカにしていたとはいえ、世論を敵にまわすなどという発想はなかったのです。
選挙で洗礼を受ける「民主主義国家」にあって、世論を敵にまわして政権をとるなどということはありえないと思います。
小沢氏は立候補の段階で、国民への説明不足を謝罪し、十分に納得のいく弁明に時間を費やすべきだったでしょう。多くの国民が「そこまで反省し、説明するなら話しを聞いてもいいよ」と思わせてはじめて政策論議に入れるものと思います。説明責任を果たさず、「菅とオレとどちらかを選べ!」という姿勢は、おそらく戦前でも通用しなかったでしょう。
同時に、マスコミ報道によると、小沢グループは約150人、鳩山グループは約60人といわれていましたから、単純計算でも両グループで200人を超えるわけです。国会議員票ではわずか6名差(12ポイント差)という言い方をするコメンテーターもたくさんみられますが、菅氏が国会議員票でも小沢氏を抜いたということに大きな意義があるのです。もっとも菅氏の演説の手法や内容は全く評価に値せず、もっと前向き、かつ謙虚な演説を繰り返していればもっと獲れたでしょう。民主党内には「小沢嫌い」より「菅嫌い」がいかに多いかがわかります。
菅氏の最終演説で注目したのは、民主党国会議員の出身職業を網羅した部分です。これはアメリカではよくやるスタイルですが、日本ではおそらく初めてのことでしょう。第三者が聴くと長々と聞こえますが、当事者は自分の前職を言われれば悪い気はしないものです。これはさすがと思わせる部分でした。
一方、小沢氏の演説は今頃になって衆議院の任期に触れるなど、弱気な“擦り寄り”姿勢が目につきました。“小沢さんらしさ”が出なかった演説だったと思います。
いずれにせよ、今回、小沢氏は敗北を喫したわけですが、スポーツマンシップの「ノーサイド」というわけには双方ならないでしょう。
菅政権の行方を握る野党の動向が注目されます。
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