「河村・大村圧勝」に敢えて一言

  • 選挙プランナー三浦博史
  • at 2011/2/07 11:13:14

昨日投開票の名古屋市長選、愛知県知事選は現職の河村たかし市長と、前自民党衆院議員の大村秀章氏が圧勝しました。今回、「民主王国」に大きな風穴を開け、中央政党に地方政治家が勝ったことは両氏の功績でしょうが、私はこうした動向が全国に広まることについては大きな疑問を持っています。


敢えて言わせていただくなら、それは橋下大阪府知事や先般の出直し市長選で落選した竹原氏(前阿久根市市長)にも言えることですが、首長が「地域政党」をつくって過半数を制し、議会を思いのままに動かすということが、果たして議会制民主主義に則っていることなのかどうかということです。


私は学者ではないので難しい議論をする気はありませんが、知事や市長(首長)は直接選挙で選ばれているわけですが、地方議員も同様です。首長の行き過ぎや思い上がりをチェックするのも議会の大切な役割の一つだと思います。地方議員の定数削減をはじめとする抜本的改革はもちろん必要ですが、同時に首長に絶対権限を与えることも許されないはずです。地方議会を首長政党で制したら、首長は何でも思いのままに県政・市政を動かすことができるようになるわけです。


議会が思い通りにならなければ議会を解散する、地域政党を立ち上げて多数を制する、これらは首長の暴走以外の何ものでもない気がします。河村さん、橋下さんに徹底的に暴れまわっていただき、硬直した、閉塞した地方を変えてほしいという気持ちもありますが、こうした動きが全国に広がっていった場合、一体、首長を誰がチェックするのでしょうか? 大阪、名古屋は“暴れん坊首長”が歓迎されることは仕方がないにしても、東京をはじめとする他の大都市が、こうした風潮に踊らされないよう、十分注意すべきだと思います。



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「「河村・大村圧勝」に敢えて一言(http://www.election.ne.jp/planner/85756.html)」

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