今朝のフジテレビ「めざましテレビ」に出演しました。
今、注目を集めているアメリカ大統領選挙に関するコメント出演ですが、私のアメリカの友人の中には各陣営に深く関わっている人もおり、彼らとの電話やメールでの情報交換も参考にして私なりの意見を述べました。以下、その骨子と私の見方を記してみました。
①直前の世論調査が大きく外れたわけ
私は以前より再三再四主張していますが、今の固定電話対象の世論調査には限界があるのです。なぜなら、今やメジャーになりつつある“携帯電話層”の声が全く反映されないからです(携帯電話層の人たちは調査時間内の固定電話には出ない人が圧等的に多い)。したがって、現行の調査手法では継続した調査で傾向を掴むことはできても、数字そのものの科学的根拠は極めて低くなってきていると言わざるをえません。
②ヒラリーは“涙”で勝ったのか
確かにそれも一因だと思います。選挙は「情」だからです。“賢くて冷たい”イメージから、情のある“アメリカの母”的なイメージが上手く伝わったことで、女性層や若者層を取り込んだともいえます。これは“賭け”でした。「涙=弱さ」がマイナスになることもあるからです。
オバマの「変革」には“冷たさ=クール”のイメージが伴ないますが、ヒラリーは明確な“ハートフル&パッション”メッセージ戦術に出たことが功を奏したといえます。
③ヒラリーの最大の勝因は何か
諸説言われていますが、黒人であるオバマを「大統領にしてはならない(したくない)」という反・非オバマ層を、結果的にエドワーズではなくヒラリーが上手く取り込んだということも大きな勝因のひとつと言えるでしょう。
④民主党予備選の今後の展開は
次期大統領選挙は“民主で決まり”といわれていますが、オバマがニューハンプシャー州で負けたことは“オバマ・ミラクル(伝説)”(オハイオ州の1回だけではハプニングであり、ミラクルにはならない)が頓挫したわけで、今後、息を吹き返したヒラリーに強い追い風が吹くものと思われます。
たかが全米予備選の1%での勝負ではありますが、29日に行われるフロリダ州、2月5日のメガ・チューズデーでオバマが奇跡を起こさない限り、ヒラリーの独走になりそうな気配です。ヒラリーの夫、クリントン元大統領は黒人層にも根強い人気があることを忘れてはなりません。
⑤共和党候補が民主党に勝つための奇策とは
民主党の話題ばかりがマスコミで取り上げられていますが、レースはこれからが本番です。
サプライズやハプニング、そして世論操作や世論誘導など、なんでもありが大統領選なのです。
共和党候補が民主党に勝つためには、たとえば共和党の大統領候補が副大統領候補にライス国務長官を起用すれば、対黒人、対女性対策にもってこいの“コンプレックス・カバー”になります。
アメリカの政治(選挙)も「一寸先は闇」といえそうです。
最近のコメント一覧