私がよく申し上げているものに「メラビアンの法則」(アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した法則)というものがあります。
人は人を判断する時、その55%を「視覚情報(見た目)」から、そして38%を「聴覚情報(話の早さ・口調等)」から、そして残りのわずか7%を「言語情報(話の内容)」で判断するというものです。即ち、93%は「非言語(ノンバーバル・コミュニケーション)」で、その人の第一印象(好感度・嫌悪度)が決まってしまうのです。
ヒラリーが、時には具体的数値を挙げて経済政策を甲高い声で訴えるのに対し、オバマは具体的数値や具体的政策なしで「夢」や「希望」を聴衆に語りかけます。オバマは時には片手をズボンのポケットに入れ、やや斜めに構えた姿勢で、今の分極化されたアメリカを「もう一度統一(Unit)しよう」と訴えかけるのです。そして自らを「統一者(Uniter)」と称します。
また、ヒラリーが「エリート・セレブ・大統領夫人」といった威厳ある肩書きに相応しい、偉大なる大統領候補といったオーバーなジェスチャーで振舞う演説スタイルに対し、あくまでも(本当はコロンビア大、ハーバード出身のエリートにもかかわらず)庶民の代表を演じ切るオバマは、いわば新たなアメリカンヒーロー登場といったところでしょう。
オバマ人気の一つには、そうしたヒラリーとの区別を鮮明に打ち出すという、計算されたプロパガンダ術が役に立っているのです。
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