少し長いですが、今回の都議選の私なりの分析をまとめました。
(1)投票率 前回比10.5ポイントの大幅アップ
・過去最高は1959年の70.13%、最低は1997年の40.8%
・今回の期日前投票は87万5,195人。前回の1.83倍。投票率にして8.36%
(2)無党派層の投票行動
東京新聞の12日の出口調査(1,089人)によると、「支持政党なし」の無党派層は24.2%。この内の53.6%が民主に投票。自民に投票の17.5%の約3倍に達した。反・非自民の受け皿として、民主に集中。
(3)2005年結果との比較
・大躍進の民主党は1,227,600票増、16.3%アップで20議席増。
・惨敗の自民党は、118,560票増だが、4.8%マイナスで10議席減。
・共産党は27,402票増だが、3.0%マイナスで5議席減。
・ネットは70,613票減で、2.1%マイナスで2議席減。
・公明党は42,865票減で、4.8%マイナスにもかかわらず、23議席の完勝。
※この公明党のパーフェクトゲームは、まさに神業といえる。たとえば、2人当選の足立区(定数6)では、4位、5位で当選した公明党候補の票差は何と41票差。さらに、前回トップ当選だった選挙区で、13の選挙区が2位以下に転落するも、23人全員当選。
(4)無党派層が投票者を決めた瞬間
数人の投票日当日の出口調査をされた記者から直接聞いた話では、投票日(期日前投票は〝確信犯〟のため)に決めた人が今回は圧倒的に多い。普通は投票日2~3日前が多いといわれる。
とにかく、初めから「自民党はアウト」で、「民主ありき」と心に決めた人が、投票所近くの掲示板で、自民党候補は無視、民主党候補の候補者名を確認して、投票所に向かう。1人区はそのまま投票、民主党の候補者が複数いる場合は、まさに人気投票の様相。〝イケメン、若い、かわいい〟等のキーワードに当てはまる人が強い。
(5)〝イケメン、若い、かわいい〟だけで当選!
26歳新人の千代田区の栗下氏をはじめ、民主党というだけでベテランを破り当選している。千葉の31歳の熊谷市長を含め、こうした〝イケメン、若い、かわいい〟人が大量当選してくることで、2005年の杉村太蔵氏のような「えー? こんな人が当選してるの?」と批判されることが起きなければいいが…。
(6)幸福実現党
10人の候補者を擁立した幸福実現党。得票数の合計が13,401票(得票率0.24%)。有権者に全く無視されたといえる。
(7)国政への影響
もちろん影響は大きい。但し、たとえば私の住んでいる杉並区では1、2位が民主党、自民は1人当選(3位)で1人落選だが、総選挙で石原伸晃氏は落ちない。
葛飾区でも2、3位は民主党で、自民は1人当選(4位)、1人落選だが、平沢勝栄氏は強い。
40年ぶりに自民党が議席を失った青梅市でも、井上信治氏は負けないだろう。
有権者は都議候補の名前等の認識度は低いため、政党だけで選ぶ。総選挙でいえば比例区の投票傾向がある。したがって、総選挙の比例区は今回の都議選結果がそのままスライドするだろう。
(8)民主党候補のメッセージは3つに集約
3つとは、「政権交代」「新銀行東京」「築地移転問題」。
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