ノーベル賞受賞者による抗議会見や、鳩山総理の仕分作業の政治判断発言等、様々なハプニングがあったものの、世論調査的には国民の一応の理解と支持が得られた仕分作業。しかし、この一連の動きを試行錯誤の第一ステージと割り切るには大きな問題が残ったと私は思います。
そもそも「最後は政治判断で決定」ということは当り前の話。それに科学技術関連予算などに限定していえば、これまで一部の和食しか食べていなかった人がフランス料理を評価するようなもので、仕分人の選定基準が不明確です。一見、ガラス張りの作業のようで実はここが一番大きな問題です。
ミシュランの審査委員は公表されなくても星のついたレストランが一応美味しいために文句はそれほど出ていません。しかし仕分作業はミシュラン以上に仕分人の技量や力量、経験が問われるはずです。
自称・ラーメン通の人に蕎麦屋を勝手にランク付けされてはかなわないという視点に立てば、財務省が描いたシナリオと仕分人の選定基準がわからない今回の事業仕分作業は国民やマスコミ向けの点数稼ぎ(情報公開)はできても、ますます「テレビポリティックス」の“負の効果”が出た出来事だったといえなくもありません。次回の仕分作業には仕分人の仕分が必要ではないでしょうか。
最近のコメント一覧